アーク光カット
溶接現場で見かける青や緑、黄色などの透明なシート。
これは単なる間仕切りではなく、溶接作業中に発生する危険な「アーク光」から、周りの人々を守るための重要な役割を持っています。
なぜこのシートが必要なのか、その理由と効果について解説します。
アーク放電と「アーク光」の正体
「アーク光」とは、電気の放電現象であるアーク放電によって発生する光のことを指します。
アーク放電とは、電極間に電気を流すことで放電現象が起こり、その際に発生する強い光と熱のことです。このエネルギーを利用して金属を溶かすのがアーク溶接です。
目に見えない危険「紫外線」と「青色光」
アーク光には、私たちが普段目にする「可視光線」だけでなく、目に見えない「紫外線」や「赤外線」など、幅広い波長帯域が含まれています。
中でも特に危険なのが、紫外線と可視光線の中の青色光(ブルーライト)です。
これらを無防備に浴びてしまうと、目に悪影響を与える可能性が高く、いわゆる「電気性眼炎(雪目)」などの症状を引き起こす原因となります。
マスクだけでなく「シート」が必要な理由
溶接作業者本人は、専用の遮光マスク(溶接面)を装着しているため、目や顔は保護されています。
しかし、その周りで作業している人や、通りがかった人はどうでしょうか?
アーク光対策シートは、「作業者以外の周りの人間」を、突発的な強い光や有害な光線から守るために設置するものなのです。
アーク光対策シートの3つのメリット
この効果のあるビニールで間仕切りをすることで、以下の3つの効果が期待できます。
1. 有害光線の遮断:アーク光に含まれる紫外線や青色光を効果的にカットします。
2. 熱や火花の防御:光だけでなく、溶接時に飛散する熱や火花からも周囲を保護します。
3. 安全確認が可能:透明度があるため、外から中の作業状況が見え、作業者の安全性を周りの人間が目視確認したりすることが可能です。
作業者は面を着用すると思いますが、周りへの影響を抑え、安全な作業環境を作るための必須アイテムとなります。
防滴加工



