テント生地とフラット帆布の違い

公開日: 2024.01.10
更新日: 2025.12.22

テント生地(主にテトロン糸を使った塩ビ製品)と呼ばれる生地とフラット帆布との大きな違いについてです。
まず構造そのものが違います。その為、テントは光が綺麗に抜けて、フラット帆布は透光ムラが起きます。

構造と光沢の違い

テント生地はテント用途(主に装飾や看板、日よけ、雨よけ)を主に作られた生地です。一方、フラット帆布は「帆布」という名の通りで、用途がトラックシートだったり、野積シートだったりと頑丈で意匠性を気にしない用途を主としています。
ここで、頑丈なら何でもいいんじゃないの?という疑問が起きると思いますが、実際に屋根材として展張し、光に当たると大きく差が生まれてきます。

テント生地とフラット帆布の光沢比較のイメージ

用途と「帆布」の由来

テント生地はフィラメント糸を使用した織物にラミネート加工をして仕上げる。
フラット帆布はスパン糸を使用した織物をディッピングしたものをフラットに仕上げる。
フィラメント糸とスパン糸の特徴は以前も記載しましたが、仕上がりが全く違います。

製造工程による仕上がりの差

毛羽立ちが無い糸の織物と、毛羽立ちの多い織物を光にかざすと、どちらが均等に光を通すかと考え想像できると思います。
さらに均一の厚みに仕上げたフィルムをオモテウラ共に張り合わせたテント、塩ビの風呂にドボンと浸して絞り、その後にローラーで毛羽立ちを潰して平らに仕上げるフラット帆布となると、よりその差を感じるでしょう。
そもそも「帆布」とついているので色付きのトラックシートの材料をお店に掲げているというのが~と記載すると少し刺激的ですが、昔からお店のテントを触っている方は少し疑問を持つと思います。

デザインコンセプトでの使い分け

ただ、今は様々なデザインやコンセプトがあるので、昔ながらテントのテカテカがコンセプトと違ったり、コットンライクな風合いも含めない、中間の感じのフラット帆布の風合いが好きや、あえて透光ムラでいきたい、テント倉庫にも使われる強度という担保が必要な場合もあると思います。
設計段階で認識がなかったり膜販売業者とかかわっていないと、色だけで全てを判断してしまう可能性も出てきます。
1つの知識として頭の隅にあると嬉しいです。

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