軟質塩ビの耐熱性について
軟質塩ビシートの特性解説
「耐熱」と「防炎」は違う?
塩ビシートの耐熱性について
高温環境下での使用を考える際、「耐熱」という言葉に注目しがちですが、その意味を正しく理解していますか?軟質塩ビシートの耐熱性の限界と、そのメカニズムについて解説します。
耐熱というのは、あくまでも素材を通常使用する為の温度ですので、防炎や着火温度とは全く別の話となります。
湿度等の影響もありますが、通常軟質塩ビは60~70℃を超えてくる環境だと徐々に軟化し、変形や劣化が促進していきます。
-
一般軟質塩ビ
約60~70℃を超えると軟化・変形・劣化が始まります。
-
耐熱タイプ塩ビ
100~120℃程度まで耐えられますが、それを超えると劣化が促進されます。
よく勘違いされるのですが、一般軟質塩ビも耐熱塩ビもその温度を越えてスグにハイ駄目!となる訳ではなく徐々に変化していきます。
なぜ劣化するのか? 可塑剤の役割
塩ビは塩ビの雨樋の様にもともとかたい素材です。それを柔らかくしている可塑剤という柔軟材の役割をしているものがあります。
その可塑剤が70~80℃を越えてくると揮発し分離して、柔軟性が失う為に元の固い塩ビへと戻っていきます。
古いビニールカーテンがカチカチになっているのは、この可塑剤が無くなってしまう為です。
耐熱タイプは、この可塑剤を通常よりも良いものに変える事で、100~120℃という温度でも使用可能な耐熱性のある塩ビとなります。
また塩ビ以外の素材だと新たな選択肢が出てきます。
綿帆布について



